「内宮君」 屋上に登って声をかける。 内宮君はやっぱり完璧な笑顔を浮かべて私を呼ぶ。 「長田さん」 それに寄せられて恐れ多くも隣に座る。 「また来たね」 内宮君は笑って私を眺めた。 私は恥ずかしくって俯きがちになる。 だって、隣には王子様。 「迷惑、だった?」 「楽しいからいいよ」 目を細めて私の頭をあやすみたいに撫でた。 夕日とか全部が内宮君を魅せる道具なんだ。 もう目が離せない。 そのくらい、綺麗。