モヤモヤしながら昼休みを迎える。 今日は水筒忘れちゃったから、買いにいかないと。 愛ちゃんを教室に待たせて一階の自販機に急いだ。 「長田さん、購買なの?」 階段を降り始めた時、頭から離れなかった声が聞こえた。 「内宮君……あ、ちがくて、水筒忘れちゃって」 「長田さんっぽい」 「バカにしてるでしょ」 内宮君は水色のお弁当を小さく揺らして笑った。 「冬夜ーーっ?」 「貴司が呼んでるや。じゃね」 内宮君はさっそうと視界から消えた。