陸上部の練習が、いつになく騒がしい。


恭一が陸上部に入ったことで、
ヒヤかしに集まっていたはずの族は、

いつもと違う、恭一の真剣な表情と、
走ってる時の、驚異的なスピードに、
目をみはらせていた。


ほんの少しのアドバイスを受けただけで、
体育祭での、あの活躍っぷりは、
ほとんどの生徒の目を釘づけにさせた恭一。


これには、先輩達も太刀打ちできず、

この先、行われる大会等で、
きっとこのルーキーが、
我が校の陸上部を
背負って立つ存在となることを誰もが確信した。


本多の秘蔵っ子として名が知れた、
恭一にとっての対決方法は、

喧嘩とは、だいぶ変わって、爽やかなものになり、

ロデオからサラブレットへと、
見事な変身を遂げた。


本多先生にとっても、
前に居た学校の、今の陸上部顧問との、新旧対決とあって、

やはり因縁とは、切っても切れないものなのだと、つくづく思わさせられる。


そんなある日の部活終了後、
校門へと向かう私達は、ちょうど陸上部と出くわした。


散々、走った後だというにもかかわらず、
清々しい笑顔を振りまく恭一を見て

(皆とも上手くやってるんだー)

と、安心する私。


「隆志、一緒に帰ろうぜ」

恭一は、隆志を見つけて声をかけたが、
それは必然的に、
私も一緒に帰るということになる。