2月の後半にもなると、
クラスのほとんどの進路が決まって、

穏やかさを取り戻すどころか、
卒業に向け忙しくなっていた。


私は、第一希望だった、県内の女子校に、みごと合格することができた。


恭一は、早い段階で推薦を蹴り、
試験で、その高校にパスをして、

すでに、気が向いた時、陸上部で体づくりをしていた。

そんな時、
中途半端でバスケ部を引退した私は、
後輩の、邪魔にならない程度に練習に顔を出して、

時には、先輩なのにこき使われながら、恭一と時間を合わせていた。


残り少ない中学生活、
無理にでも、一緒に居る時間をつくっていた。


「お疲れ!」

「またバスケやってたの?」

「だって、楽しいんだもん!」

「…高校でもやんの?」

「わかんない。」

「筋肉ムッキムキーの色気無しになっちまうもんな。」

「…やらしい〜。」

「男は皆やらしいだろ。」

「…。」

「ヒクなよ!変態じゃねーぞ。一般論だよ。」

「ちょっと、意外だったから…矢部君ならともかく。」

「あはは、あいつ、そんなことおまえに話すの?」

「この前、鈴ちゃんヒイてたよ。」

「かわいそ〜、鈴木のことオキニなのに。」

「そーなの?」