「♪会いたくて会いたくて震える～♪」

アラームの音が部屋中に鳴り響く。アタシはいつものように起きる。
部屋だけがいつもと違った。少し寂しさを覚え、ベットから起き上がる。
顔を洗い、アイロンを温める。この髪の色は・・・まずいよね。
アタシはクローゼットを開ける。すると、都合良く茶髪のウィッグが入っていた。アタシはそれを被り、いつものポニーテールを作る。
ちゃんと、バレないね。急いで制服に着替えると指定鞄と思われる鞄をクローゼットから取り出した。スゲー・・・教科書ちゃんと入ってる。
有李栖がやってくれたのかな。後でお礼言っておかないと、
アタシは急いで部屋を出て、厨房っぽいとこに行く。
有李栖はまだ来てないのか・・・さて、何作ろう。
目の前にクロワッサンが置いてあったのでそれを皿に載せ、ポットに湯を入れ、
沸かす。その間にスクランブルエッグを作る。
渉たちがいつも何を食べているのか知らないがとりあえずアタシなりの朝ご飯を作ってみる。頑張って、食材と戦った結果アタシはスクランブルエッグを作るコトが出来た。
紅茶も入れれたので一安心だ。後はベーコンかな？・・・
アタシがいろいろやっていると、横に誰かが立った。

「おはようなのです☆ちゃんと起きて偉いのです。わたしが運びますね。」

有李栖は笑顔で料理を運んでくれた。少し助かる。アタシは婆っちゃの好みで
和食しか作らない。洋食はあんまり朝出ることはないのだ。
でも、一応大丈夫だったようだ。
アタシは一通り作ると料理を運ぶ。そこにはハヤテお兄ちゃん・渉・剛さんが
座っていた。一応、みんな揃って食べるんだ・・・

「杏南ちゃん、おはよう。制服も似合うね。」

「おはようございます。お口に合います？朝ご飯・・・」

お兄ちゃん・・・ハヤテ様は笑顔で頷く。食べながらだから喋れないらしい。
少しホッとした。一応、受け入れて貰えたようだ。

「杏南。そろそろいかねえと間に合わねえよ？」

「えっ？そうなの？じゃあ、案内して？まだ分かんないからさ。」

「お、おう//有李栖も行くぞ。」

「はいです。では行って来ますですよ。」

アタシたち３人は一足先に学校に向かう。玄関を出ると沢山アタシたちと同じ制服の人たちが歩いていた。アタシたちも歩き始める。