先に恭也くんが跳ぶ。
それと同時に先生が小走りで来る。
アタシは綺麗なフォームで跳ぶ恭也くんから
目が離せなくなる。


アタシもこんな風に跳べたら・・
ボスッ。綺麗な弧を描いてマットに落ちる。
 
そして先生は恭也くんの元へと行く。
2人で話している。
アタシも跳ばないと・・

バーを140センチにしてみる。
ここからは初挑戦だ。
部活で跳ぶのは久しぶりだが
妖怪【スポク】との戦いで
ジャンプ力は鍛えられた。

「フー・・・」


軽く息を吐く。そして、
手を挙げる。
タッタッタ・・・タタタタっ。
ヒュンっ。


踏み切りも上手くいった。
綺麗に弧を描いてバーを跳び越える。
ボスッ。アタシは背中から勢いよく
着地する。
若干、腰打ったかも・・


「杏南・・?
今何センチ跳んだの?」


「140センチです。
跳べちゃいました・・」


先生も恭也くんも目をパチクリさせている。
アタシも少し驚いているのだ。
また腰を抜かしてしまったのだ・・
上手く足腰に力が入らない。



「ほい。また立てねえんだろ?
掴まれよ。」


アタシはまた恭也くんに手を貸して貰った。
なんか妖怪【スポク】関係は全然大丈夫なのに
こっち関係になるとすぐ腰を抜かしてしまう。

「あんたには未知なる才能が
隠れているのね・・

中総体期待してるわ!」