似た人を探していた。
色の黒い人が好きだった。
でも、似た人はいなかった。
あなたの代わりはいなかった。
ずっとあなただけを引きずっていたわけではないけれど、
いつも何かあると思いだすのはあなただった。
社会人になり、
恋をした。
あなたとは正反対の人だった。
年上で。
色は黒くない。
スポーツマンタイプでもない。
女の子の優しかったあなたとは違って、
どちらかというと、いじわるで。
「何やねん。お前」
そんな口調に、ちょっとドキっとした。
あなたと違う人だったから、恋をした。
似た人だと比べてしまうから。
全然違う人に恋をした。