「じゃあ、行ってきます。」

「「「行ってらっしゃい!」」」


お兄ちゃんのうしろ姿は

いつもより、

ずっと大きく見えた。


前を向きながら、

手を上にあげ、

手を振るお兄ちゃんを

私たちは見えなくなるまで、

ずっと見つめていた。

お父さんは笑っていたけど

お母さんは目に涙を浮かべながら微笑んでいた。


その帰りにアパートの前に下ろしてもらった。

私の部屋は2階の向かって1番右側。

隣は、気にしないでいいってお兄ちゃん言ってたけど

なんだろう…。

まぁ……いっか。