気がつけば、辺りはすっかり夕焼け模様になってさっきまで賑わっていた烏丸通りも人がまばらにいる程度になっていた。
「さぁ!!帰りましょう!夕食が待っています」
「げっ!!!お前…もしかしてまだ食う気なのか?!」
「当たり前ですよ〜。
今日はちゃんと稽古したからお腹空いちゃってしょうがないんです!食べ盛りですし」
「二十歳を超えた男が言う言葉やないな」
「いつまでも気を若く持つのはいいことですよ。
では原田さん、ご馳走様でした」
「ええっ!!!本気かよ!!?だってこれ…どう見たってお前と楓がほとんど平らげたんだろ?!」
「武士に二言はあらんのやろ?」
「「その通り!」」
楓の締めの言葉に沖田と永倉は大きく頷く。
「……んな馬鹿な」
本日平らげた団子、二十八本。饅頭、八個。
驚異的な量に茶屋のほうが驚いたようである。

