「なるほどな。でも一つ引っかかるんやけど、近藤局長がそんなに新撰組の評判落とすような人間には見えんけど?」
新撰組の評判は今や地に落ちていた。
京を守るための組織が今となっては京の人を脅かす存在となってしまっているのだ。
大阪では、すれ違い様少し揉め事を起こした力士をいきなり斬りつけた。
つい先日は、金を出さないという理由で生糸問屋・『大和屋』の土蔵に大砲を打ち込んで全焼させたというのだ。
「…それは芹沢局長一派がやったことだが、あの人がいなければ、新撰組の資金は無いも同然だ。だから、批判ばかりはしていられないんだがな…」
微妙なところなんだよ。と、永倉は呟いた。
「ふ〜ん」

