「おわっ!またやったのか総司?!」


そこに、総司と呼ばれた青年と同じくらいの歳にみえる青年が気絶した隊士の間を器用に跨ぎながら近づいてきた。

「平助!いや…そんなにきつい稽古をした覚えはないんですけどね?」


「…ほんと顔に似合わずえぐい稽古するよな」

平助は苦笑しながらのびている隊士を見回した。

そう、この総司と呼ばれた青年。日に当てると青光りするほどの長くきれいな髪を持ち、とても整った顔立ちをしていて中性的な雰囲気を持っている。要するに美男子なのだ。

「えぐいって…。あ!平助、私見回りの当番なので、みなさんの介抱頼みました!」


「………はぁ?!!」

あまりに無責任なことを満面の笑顔で言われたため平助は一瞬反応が遅れた。






それが命取りだった。


「え・・・お、おい!総司―ッ?!!」


慌てて反論しようとしたが総司の姿はもう何処にも見えない。




「えぇ〜・・・」



ゴツい体つきの男達が道場の床にびっしりと転がっている光景に平助は蒼ざめた顔でしばらく呆然と立ち尽くしていた。