にやりと笑った楓の目はギラギラと光っていた。
「おま…一体っ…」
あまりに鼻の効く楓に原田と永倉は驚きを越して恐怖さえ覚えた。
「は〜ん?その反応。図星やな」
「……図星…だな」
ここまで見抜かれてしまっては話さない訳にはいかない。
仕方なく、永倉は重い口を開いた。
「大まかに言うとな、俺らは昔、近藤局長が師範を勤めていた武州の剣術道場にいたわけさ。
俺や左之、平助は食客として、総司と土方さんは門弟だった。みんな今みたいな暮らしなんかとは全く無縁の農民や商人の出だ。
そんな中、将軍護衛の浪士募集の話を聞いて京都に来た。
そこで、芹沢さんと出会って今の新撰組を結成したんだが、芹沢局長は水戸藩の郷士で、神道無念流の免許皆伝という立派な肩書きを持った人物だった。
一方でこっちは田舎道場の無名流派、おまけに商人と農民の出だ。どう考えたって今の身分制度じゃ月とすっぽんの差な訳。
当然確執も生まれる」
「要するに、武士身分の芹沢派と、農民・商人身分の近藤派に別れとんのやな?んで、身分から考えて局長になるのは必然的に芹沢鴨。
だが、壬生浪士組の創立には近藤さんも大きく貢献した。っつーことでどっかの万年眉間に皺寄せてる副長さんが無理やり近藤さんを局長の位置にねじ込んだってところか?」
「お前ほんっと恐ろしいわ…」
片頬をピクピク痙攣させながら永倉は楓から大袈裟に上半身を遠ざけた。
「おま…一体っ…」
あまりに鼻の効く楓に原田と永倉は驚きを越して恐怖さえ覚えた。
「は〜ん?その反応。図星やな」
「……図星…だな」
ここまで見抜かれてしまっては話さない訳にはいかない。
仕方なく、永倉は重い口を開いた。
「大まかに言うとな、俺らは昔、近藤局長が師範を勤めていた武州の剣術道場にいたわけさ。
俺や左之、平助は食客として、総司と土方さんは門弟だった。みんな今みたいな暮らしなんかとは全く無縁の農民や商人の出だ。
そんな中、将軍護衛の浪士募集の話を聞いて京都に来た。
そこで、芹沢さんと出会って今の新撰組を結成したんだが、芹沢局長は水戸藩の郷士で、神道無念流の免許皆伝という立派な肩書きを持った人物だった。
一方でこっちは田舎道場の無名流派、おまけに商人と農民の出だ。どう考えたって今の身分制度じゃ月とすっぽんの差な訳。
当然確執も生まれる」
「要するに、武士身分の芹沢派と、農民・商人身分の近藤派に別れとんのやな?んで、身分から考えて局長になるのは必然的に芹沢鴨。
だが、壬生浪士組の創立には近藤さんも大きく貢献した。っつーことでどっかの万年眉間に皺寄せてる副長さんが無理やり近藤さんを局長の位置にねじ込んだってところか?」
「お前ほんっと恐ろしいわ…」
片頬をピクピク痙攣させながら永倉は楓から大袈裟に上半身を遠ざけた。

