「…止む負えんな。しかし、山崎君は今芹沢の件で忙しいのでは?」
「ああ、そのことなんだが、もう必要な情報は集まってんだ。後は機を待つだけだろう。だから、芹沢の事は、島田君にでも引き継いでもらおう」
「そうか…。いよいよか」
近藤は腕組みをして力む。
「そうだよ近藤さん。俺があんたを唯一無二の新撰組局長にしてやるよ」
カンッと煙管にたまった灰を火鉢に落とす土方の口は笑っていたが、目は恐ろしいほど野性的な輝きを放っていた。
「山崎君を呼んでくれ」
局長の同意を得た土方は近くにいた隊士に命令した。
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