男は無言で二人の元へ歩んでいく。


「と…歳!!今その二人に近づくと危険だ!!」

近藤の忠告も無視して距離を縮めていく。


そして、二人の間に立った時、


――パシィィン


男は沖田の胸倉を掴み思いっきり頬目がけて平手打ちをした。


冷たい音が道内に響く。

沖田は何が起こったのか、自分が何をしていたのかわからないといった様子で、


「……土……方…さん?」

目の前の男の名前を呼んだ。

沖田の目の焦点が定まったのを確認して、今度は女の方を睨んだ。


「お前、何者だ?」


細く鋭い目で女に聞く。