「!?」

楓は無意識に竹刀を強く握り締めていた。

沖田は今までよりも低い声で静かにそういうと、竹刀を下段に持つ。



(まずいっ!!)


その声を聞いた永倉は焦った。

今までとは比べ物にならないほどの澄みきった緊張感。だが決して心地よいものではない。

一変した空気の中、焦る近藤と永倉を尻目に楓の顔は笑っていた。


「やっと本性現したなぁ。猫かぶり」

楓も応戦の構えをとる。


「総司!!やめろっ!!!」




「いきます」



――この一本が勝負


二人はそう思っていた。



――ダンッ





パァァァァァンッ……