――トン。
まず仕掛けたのは楓。刀を下段に構えたまま一気に間合いを詰める。
((速いっ!!!))
楓の素早さに永倉と近藤は驚いた。
しかし沖田は竹刀を正眼に構えたまま間合いを保とうと後ろへ飛び下がる。が、振り切れない。
楓は下段の構えから沖田の顔めがけて一気に突きを繰り出す。
沖田は紙一重の差でその突きをかわす。
「…切れのいい突きですね。嬉しくなっちゃいますよ」
微笑した沖田の頭から数本の髪がはらはらと落ちた。それだけ楓の突きは鋭いのだ。
「喋ってる余裕あるんなら本気でぶつかって来いやっ!!」
今度は楓も正眼の構えに変え、何度も斬り下げる
――パシッパン!パン!パシン!パンッ!!
相手になにかを仕掛ける暇も与えないほどの連打。
そんな連打も沖田は焦ることなく的確に返していく。