――スス…
静かに襖を開き、沖田は楓に先に入るよう促した。
楓はおとなしくそれに従い、声の主と向き合う。
「まぁまぁ、そんなに硬くならず、座りなさい」
「…失礼します」
下座に座った楓と目が合うと、声の主は大きな口を割けそうなほど横に開き、エラの張ったごつい顔には似合わないとても愛嬌のある笑顔を見せた。
「総司、この子はどうしたのかな?」
いつの間にか楓の隣に座っていた沖田に近藤は尋ねた。
「実は、近藤さんにご相談があるんです」
「ほぉ?私に相談?」
「はい!隣にいる楓さんは見ての通り女の方なんですが、入隊試験を受けさせていただきたいんです」

