「近藤さ〜ん。どうぞ!」
「おお!!総司か!どれ、一杯もらおう」
沖田は盛り上がる隊士たちの輪の中にいる近藤の杯に酒を注ぐ。
「総司、俺に「土方さんは女性にしてもらってください!あ!!山南さん注ぎましょうか?!」
沖田に向けて差し出した土方のお猪口の中には桜の花びらが一枚入っただけ。
「…嫌なガキだ」
「がはは!!いいじゃないか事実なんだから!」
「…むっ」
酔っ払った近藤が元から大きな口を更に大きく開けて大笑いしている。
桜の入ったお猪口を覗き込みながら土方は仕方なく自分で酒を注いだ。
(馬鹿騒ぎをする野郎共の姿を見ながらの酒も乙だな)
そんな事を思いながら土方も今日ばかりは純粋に宴を楽しんでいた。
「総司、赤城君は?」
「そういえば見かけませんね〜。また一人酒でも楽しんでるんじゃないですか?」
「はっはっはっ!彼女らしいね」
山南は酒を注いでもらったお礼に沖田のお猪口に酒を注ぐ。
「ありがとうございます。
山南さん、楓に何か用があるんですか?」
酒を注いでもらった沖田は嬉しそうに一口口に含む。
「いや、用という程のことではないんだが、最近会ってないなと思って」
酒の入った杯を眺めながら山南は何とも言えぬ笑顔を見せた。
「…きっとそのうちひょこっと出てきますよ!」
沖田は山南の普段とは微妙に違った笑顔を敏感に察知し、当たり障りのない答えを返す。
「そうだね。いずれ話せる機会が来るかな」
「ふふ。まぁ今日は難しいこと考えないでパーっと飲みましょう!!」
沖田は勢いよく立ち上がり、両腕を青空に向けて精一杯伸ばした。
その腕を大きく左右に振って隊士たちの注目を集める。

