しばらく歩くと白い土塀が見えてきた。 どうやら一つの家らしいが、塀の長さから見てかなり大きな家と思われる。 中からは何かをぶつけ合う乾いた音と、男の怒号にも似た掛け声が聞こえている。 「…ここって、まさか…」 「はい!壬生浪士組の屯所です!」 爽やかな笑顔を向けてくる沖田に女は何も言えなくなってしまった。 「無茶苦茶や…」 思わず苦笑しながらそんなことを口走った。 ――そして二人は壬生浪士組屯所の門を潜った。