――ガタッ!!
女の返事を聞き、勢いよく腰を上げたのは沖田。
彼の思わぬ行動に、女は眉をひそめる。
「何やねんいきなり…」
「あなたにぴったりのお仕事ありますよっ!!」
子どものような無邪気な笑顔を女に向けたかと思うと、
「やるかやらないかはあなた次第ですが、とりあえず付いて来てください!」
と言いながら女の手を取り走り出した。
「あぁぁーーッ!!こら待ちいっ!まだ団子食い終わってないっちゅーの!」
女が気にしたのは一度しか会ったことのない男にどこかへ連れて行かれることより置き去りにした団子のことだった。
どうやら常人の感覚とは少しずれているようだ。
そんなことお構いなしに沖田は女を引っ張って京の町をズンズン歩いてゆく。

