「一さんは、女性らしさとは何だと思います?」
「…突然何を言い出す?」
隣に並んで歩いている沖田からの問いかけを訝しむ齋藤。
「いや、ちょっと昨日そういう話があったもので」
「ふむ。やはり、礼儀作法がしっかりしている事だな」
真面目な齋藤らしい答えだ。
「胸は気になりませんか?」
「「「えっ!!?」」」
沖田の言葉に齋藤よりも他の隊士たちが驚いた。
(((お、沖田先生が女の話を持ち出した上に胸の話なんて…)))
ある種の衝撃を受けた隊士たちは、その後の齋藤との会話が気になり耳をそばだてる。
「沖田君、一体どうしたというんだ?」
「いや、これも昨日の話の中にあったんです」
(((どんな話だよっ!!!)))
平隊士の胸中で総突っ込みが入った。
「むぅ…、俺は関係ないと思っている」
「そうですかぁ」
「で?」
「で?」
「君はどうなんだ?人に聞いといて自分は言わないのは不公平だろ?」
齋藤の突然の反撃にさすがの沖田も目を丸くした。
「私ですか?!う〜ん…そうですね…
やっぱり、少しは気にすると思います」
(((巨乳好きかーーッ!!)))
更に衝撃を受けた隊士たち。
「ふむ。そうか。そうなのか」
顎に手をやり、妙に納得する齋藤。
「そんな納得しないで下さい。恥ずかしくなるじゃないですか!」
「いや、世の中、色々な人間がいるのだと思って。
ところで沖田君」
「言いたいことは解ってますよ一さん」
二人は足を止め、鞘を軽く握る。
後ろを歩く隊士たちも、隊長二人の気配が変わったのを素早く察知して刀に神経を集中させた。

