「そうじー!!おっちゃん帰ったんなら遊ぼうやー!」
子どもたちが沖田に向けて手を振っている。
沖田は一度目を閉じ、心の中に不安な気持ちを押し込めた。
(大丈夫。私たちのしていることは何も間違ってはいないのだから…)
「は〜い!!今行きますよ〜」
いつもの笑顔で子どもたちの輪に入り、沖田は握られた手をしっかりと握り返す。
人の温もりが沖田の不安を取り除いていく。
「次は鬼ごっこすん「総司!!何しとるん?」
後ろから声がする。
沖田は子どもたち越しに声の主を確認した。
「ああ!楓じゃないですか?!」
そこにいたのは楓ともう一人、見知らぬ女性。
(あぁ…何だろう?)
――楓の顔を見た瞬間、自分が安心感で満たされていく。
「子どもに遊んでもらっとるんか?」
「まぁ、そうとも言いますね」
腰に手を当て、憎まれ口をたたく楓に向けて沖田は穏やかに笑った。