――文久三年 九月十五日
新見の切腹から二日が経ったが、新撰組の屯所は相変わらずその話しで持ちきりだった。
今までの新見の行動を見れば切腹は当然だという者がいれば、近藤の陰謀ではないのかと密かに噂する隊士までいた。
いずれにしろ、先日公布された『局中法度』の効力を隊士たちは新見の死によって見せ付けられたことは事実。
明日は我が身かもしれないという恐怖を誰もが感じていた。
“きーまったー!!”
「そうじがほしい!」
「かおるがほしい!」
「「いーんじゃーんほいっ!!」」
「あらら〜…負けちゃいましたね」
「やったー!!そうじこっちのやでー!」
「そうじほんまに弱いなぁ!!すぐ負けてまう!」
「そうじ取られたからて八つ当たりせんでや!」
「「「「そうやそうやー!!」」」」
「なんやとぉ!!!」
「はいはい!喧嘩はよしてください!みんな仲良くしなきゃ楽しくないじゃないですか」
「「あんたが原因やろ!!」」
「あはは!……ごめんなさい」