新見は目を瞑り、しばらく瞑想する。 料亭の中とは思えないほどの静寂。 山南は自分の心臓の音すらうるさく感じていた。 新見は目を開けると、何の迷いも無く二尺二寸の愛刀を鞘から抜く。 そして…… ――文久三年(一八六三年)九月十三日 亥の刻 新見 錦 切腹 局中法度による制裁を受けた最初の隊士となった。