「こっから先、話すことは絶対に他言すんじゃねーぞ?」


近藤の部屋には土方の凄みを効かせた声が聞こえる。

一人で過ごす分には広い部屋だが、流石に大の男が五人も集まれば窮屈に感じる。

近藤の部屋には部屋の主である近藤、土方の使い・島田から連絡を受けていた山南・沖田・原田、そして彼らを集めた張本人の土方がいた。


「副長!こんな夜に一体なんの用ですか?!」

「うるせぇぞ原田!!!もっと声潜めろ!」

「土方さんも十分声おっきくなってますよ」

沖田は、弧を描く口に人差し指を当てて二人を静止する。


「「ぐっ……」」


「ははは…。それで?土方君、わざわざ私たちを集めた理由を聞こうじゃないか」

山南が話しを進めようと土方に説明を求めた。

「ああ。まず、原田くんと総司は知らねーだろうが、明日からこいつを施行する」


「「?」」


原田と沖田は土方から差し出された半紙を覗き込む。


そこには、お世辞にもうまいとはいえない字で『局中法度』と書かれており、その後に続くのはとても単純にまとめられた五個の項目。そして最後には…


「がははっ!!切腹たぁいかにも新撰組って感じでいいっすね!!」


「切腹かぁ。痛いでしょうね〜」