あたしは通話の切れた携帯を閉じ
それをソファに放り投げ
自分の部屋に入った



部屋は電気も点いていないのに
少しだけ明るかった


その光の元は
窓の外に輝く満月



カタンッ



あたしはその灯りを頼りに
引き出しの中からある物を探す



シャラッ



「あった・・・」



それは金の龍を
モチーフとしたネックレス


これは証だ。



洋さんにも
「これを着けるなら覚悟を決めろ。
これに見合うそれ相応の覚悟をな」
と幾度となく言われ続けた



だから今までは
着けなかった


ただもう少し
もう少しだけ”今”を
感じていたかった



けれど・・・・・