ある晴れやかな早朝、俺は一つの命と出会った。



・・・といっても、その命はもうこの世には存在しない。死んでいたのだ。


黒猫の死骸だ。


車にでも轢かれたのか、傷口から血が溢れている。
外傷はとても酷く、見るも無残だった。


俺は誰か居ないかと、辺りを見渡した。
しかし、まだ早朝の4時で、しかもこんな山奥の田舎なだけあって、人は誰も居ない。

誰も居ない事を確認して安堵の溜息を吐いた。
こんな所を見られては、不振に思われるだろうから。