「わぁ、なにー」 「よそ見してっから」 手を繋がれたまま本屋に向かった。 やっぱり久の手は大きくてあったくて、オトコの手で。 いつもよりちょっと緊張した。 「何買うの?」 「雑誌」 「ふぅん」 雑誌ねぇ。それだけの為に連れて来たの? 別にいいけどさぁ…。 「こっちとこっち、どっち?」 「こっち」 「買ってくる」 近くの柱に寄りかかって久を待つ。 遠くからみる久はいつも授業中すかすか寝てるのとは違って、しゃんとしててなんだかかっこよく見えた。