ルイはごん、という音をたてて、頭を打った。


「うわああっとと。さすがリッキー! でもオレを踏まないでー」


「いや、でもあんなに高いところに巣があるとは思わなかったよ。あんなに小さなヒナを、よく見つけたね、ルイ。踏んじゃってごめん」


 軽やかに身を反転させる、華奢な少女。


「いやいやいや。鳥のヒナって、人が触ると死んじゃうだろ。近くに蛇とかいたら危ないし、オレ頭小さいし。おまえがいてよかった」


「小鳥はルイに感謝しているよ、ほらね」


 巣に舞い戻ったヒナを囲んで無事を確認したのだろう。

 ルリビタキがしきりに鳴いてルイ達の方を見るように大岩に止まった。