勿忘草



実際そこら辺の医者より信頼できるし、優秀だ。


『いえ、総護様のお役に立てて何よりで御座います。それでは。』


「あぁ」

そういって電話を切る。




ふと昨日の事を思い出した。



彼はシオンが倒れてからすぐに、
車で駆けつけてきてくれた。



「空木!」


空木は車から出てくると酷く酷く驚いた顔になった。


「こっ…これは」



「話は後だ!コイツは大丈夫なのか!?」


事態を深刻に思ったのか、彼は驚きながらも険しい顔になり、
すかさずしゃがみこんで彼女を診る。


腕に手をあて脈拍を測ったり

首もとのリンパを押さえたり、
熱をはかったり。



「…詳しい状況がわからないので断定はできませんが、私がみる限り気を失っているだけのようです。少々熱がありますが、たいしたものではないようですし。」


その言葉を聞いて、俺は一気に全身の緊張をといた。




「とりあえずどこかに運びましょう」


「そうだな。とりあえず俺の家に。」


そう言って彼女を両手で持ち上げる。



軽い…



そう思いながらも俺は急いで彼女を車に乗せた。