勿忘草





「じゃあ俺帰るわ」



着替えを終え、フロントでカラオケマイクを拭いている仲間に声をかける。


「おう、おつかれ」


そう言われ俺はカラオケボックスを出た。



帰り道を進みながらケータイを開くと、受信履歴と着信履歴が一つずつきていた。

受信履歴のほうは、どうせ陽介だろう。


今日は学校をサボったから。


差出人を見ると、案の定陽介からだった。



【 何サボってんだよー(;`皿´)明日はちゃんと来いよ! 】




返事もせずにメールに閉じ、着信履歴を確認する。


それは空木(ウツギ)からだった。



すかさず彼に電話を掛ける。



呼び出し音が鳴るとすぐに空木は出た。


彼はいつも必ず呼び出し音が三回鳴る前に出る。



「空木、脳神経医の事か?」


『はい。もう先方には話を通しておきましたので。ご希望どうり明日の昼頃お待ちしておりますとの事です。』


「そうか…。すまねぇな」


彼には昨日シオンが倒れた時、
迎えに来てもらい、彼女を診てもらった。



空木は俺の言うなれば世話係。
小さい頃から俺に仕えていて今はもう60歳後半位だろうか?


俺があの家を出て1人で暮らしをはじめてからも、彼には世話になっている。

彼はとても優秀でなんでもでき、医学もたしなんでいる。