勿忘草






「おい総護。お前なんかあったのか?」


ドリンクを作っていると後ろからいきなりバイトの同僚に声を掛けられた。



「は?なんだよそれ」



気にとめずドリンクを作り続けける。


「だってお前、今日やけににやにやしてるなと思ったら、厳しい顔になったり…さっきからウケる。それに珍しいじゃん?今日は7時であがりたいなんてよ」

お前いつもラストまで黙々と働いてんじゃんと、心底面白そうに話す。


そう言われ、その手を止めた。

「…まぁ、昨日は確かにあったな。いろいろと。」


そう言いながらシオンの顔を思い浮かべる。



「…ふーん。なんか複雑そうだなぁ…っといらっしゃいませー!!」

彼はそう言うと客が見えたのかフロントに向かっていった。



まったく他人事だな。

ふとそんな事を思いながらも、ドリンクを数人分作り終え、部屋へ向かう。