勿忘草



「まぁ…うん。それでよし!」

俺が口角を少しあげると、彼女も少し笑った。




「ところで…総護君はどうして私の名前知ってたの?」


その質問にどくんと心臓が騒いだ。



「それは…昔の知り合いに凄く似てたからな」



「その人もシオンって名前なの…!?」


彼女は驚く程その話に食いついた。



「…あぁ」




「その昔の知り合いのシオンって子は私じゃないの?」

彼女は少し早口で、テーブルに少し身を乗り出して俺に尋ねた。


「ぜってぇ違うよ。」



そう言う俺の顔を見て、彼女は不審そうな顔をしていた。

それはきっと俺がひどい顔をしていたからだろう。



「そっ「お待たせいたしましたー!!」

店員によってシオンの言葉は遮られた。



順々にテーブルの上に料理を乗せてゆく。



「ではごゆっくりどうぞー」


店員はそういって戻ってゆく。


ふと前をみれば彼女がクリームコロッケを凝視している。


「なんだ?食わねぇのか?」


そういって俺はスプーンを手にとり、
頼んだオムライスを口に運ぶ。