「なんか食べにいくかっ!」
「…えっ」
きょとんとしていた顔が驚いた表情に変わる。
「腹減ってんだろ?奢ってやるよ」
「…でも…」
彼女は遠慮がちに目を伏せる。
「ここにいても何の解決にもならねぇだろ」
そう言って立ち上がる。
「考える前に腹ごしらえだ。どちらにせよ、ここに1人置いていけねぇ。ほら、行くぞ」
「行くって…」
困惑気味の彼女に口調を少し柔らかくして言う。
さわさわと、優しく涼しい風が足元の花を揺らしている。
その上をゆっくりと歩き始める。
後ろを振り向いて、一言声を掛けた。
「なんだ、来ねぇのか?」
「…行きますっ!」
そう言って立ち上がり、ぱたぱたとこちらに向かってくる姿を確認して暗い夜道を再び歩き出した。
