誰かが確かにそう言った。
「…誰か…いるのか?」
俺が発した声は静かな辺りにひどく響いた。
ガサッ
草の擦れる音。
俺の声に反応したのだろう。
だが返事がない。
目を凝らしながらゆっくりと花畑を進んでみた。
妙に心臓がバクバクいってる。
何故だかどんどん激しくなる鼓動を鬱陶しいと思いながらも、人の気配を探す。
すると微かに人の気配を感じた。
こっちか?
その先へ進んでみるとやっと人影が見える。
そこで俺は足を止めた。
目を凝らすが、やはりよく見えない。
小さな影。
女?
そう思い、更に近づこうと足を前に踏み出す。
すると、風が再び激しく吹き荒れた。
「っ!」
その風に思わず目を瞑ると
あの花の香りがした気がした。
俺はその風の中、
恐る恐る目を開けてみる。
すると辺りは月明かりで明るくなっていた。
そして目の前には…
確かにあの日死んだはずの幼なじみが…
そこにいたんだ。
