少し歩くとあまり使われていない階段の前で、彼女が足を止めた。
ここは使われている教室から離れていて、
おまけに色々と良くない噂がある旧校舎に続く通路がすぐ脇にあるため、生徒も誰も近づかない。
遠くに生徒の騒ぐ声が聞こえる。
ここに来てなんとなく状況を理解した。
そういう事か…
茉莉花はくるりと振り返り、
そして自信ありげに微笑んだ。
「私…榊君の事が好き。私と付き合ってもらえませんか?」
この微笑みを向けられたら、きっと誰だってノーとは言わないだろう。
喜んで、はいと言うはずだ。
美人で
スタイルがよくて
成績優秀で
育ちもいい。
性格もよく
男女ともに人気があって、噂では生写真や写メが出回ってしまうほど人気があるとか…
そういえばクラスの奴が思いっきり自慢してたな。
激レアのカメラ目線の写真だとか…
それに彼女には昔アイツが世話になった。
柏木の告白を断る理由なんてどこにもねぇじゃねぇか。
そうわかっていても、なかなか返事を出せなかった。
汗で少しベタベタとする体
じとりと背中に汗が伝った気がした。
