勿忘草


それは帰りのホームルームが終わり、俺が荷物をまとめていた頃…



「榊くん!!」

俺を呼ぶ声が聞こえてきて、この声の方に目をやると、




そこには柏木がいた。



俺は手を止めて柏木の方へ向う。


「まだ何か用か?」


今日の放課後の件はさっき断った筈じゃ…
そう話すと



「少し時間あるかしら?大切な話があるの。」

彼女は上目遣いで少し微笑みながら、俺にそう言った。


教室の時計に目をやり、少し考える。



「あぁー…。まぁ少し位なら…」

日本史教材室には今すぐ行かないと行けない訳でもないからな。
そう思い、俺が答えると彼女はにこりと再び微笑み、

「よかった。じゃあちょっと来てもらえるかしら?」


「あぁ。陽介ー、わりぃちょっと先に教材室行っててくれ」

「はぁー?なんだよそれー」


大声で窓側にいた陽介にそう告げ、既に歩き出していた彼女について行く。