後ろでそんな総護君の声がする。
「ッ!!」
それと同時に男性の体がビクリと揺れた。
「あの…大丈夫ですか?」
一層顔色が悪くなった男性に、私は心配して手を差し伸ばす。
それでもなぜだか恐怖におののいている男性はその手に見向きもしない。
「…っ…す……す」
只私の顔をわなわなと見つめて、何かを言おうとしている。
「…?」
私はその更に手を伸ばす。
私の手が近づくにつれて、男性の顔はどんどん青くなっていく。
それを不思議に思いながらも、
男性に触れようとした時。
「だっ…!!」
ビクッ!!
いきなり声をあげられて、私は伸ばしていた手をビクリと止める。
男性は勢い良く跳ね起きた。
「すっすいませんでした!!」
「え…?ちょっ…!」
私が呼び止めようとした頃にはもう遅い。
男性は逃げるように何処かへ行ってしまった。
「???」
あんなに急いでどうしたんだろう?
なんだか様子がおかしかったし…
私達は行かなくてもいいのかな?
男性の行動が全く理解できず、頭にはハテナしか浮かばない。
「…弱」
そんな私に引き替え、
後ろにいた総護君は呆れるように小さく呟いた。
「え…何?」
よく聞こえず、総護君に尋ねるも、彼はなんでもねぇと一言。
「あの人、どうしたんだろうね?」
「さぁ?腹でも痛くなったんじゃねぇか?」
「でもなんだか怯えていたみたいだけど…」
「きっと門限が近かったんだな。アイツ親が恐ぇんだよ」
間に合うといーなと、興味が無さそうにそう答える総護君。
「もう!真面目に考えてよ」
そんな彼に私は少し怒ったように言うと、彼は笑いながら謝る。
