彼はテーブルを挟んだ向かえ側に座る。
そして何も言わずにもう一つのカンジュースを開けて、勢い良く飲んだ。
あれ?
なんだか…
怒っていない?
予想外の展開に私は軽く状況についていけない。
私はおずおずと聞いてみた。
「…総護君…」
「んあ?」
彼はジュースを飲みながら、私に目を向ける。
「おっ…怒っていないの?」
私がそう尋ねると、
彼は飲み物をテーブルに起き、静かに言った。
「すげぇ怒ってるよ」
そう言って顔をしかめる総護君。
その言葉に私はやっぱり、と消沈して項垂れる。
「おまえは…」
罵倒されるのを覚悟して、私は身を固くする。
しかしこの後、彼の予想外の行動に、
私は目を丸くすることになる。
「馬鹿だ」
そう言って額をピシッとデコピンされる。
それは確かに罵倒には違いなかったが、
私の想像していた展開とは大きく異なっていた。
それは罵倒というには、優しすぎる口調で…。
且つ厳しい口調を混じらせたもの。
私は弾かれて少し痛む額を押さえながら、
顔を上げる。
「具合が悪くなったならすぐ言え」
溜め息を吐きながらそう言う彼は少し怒っている様子で眉間に皺を寄せていたが、
共に出した溜め息には、安心したような何かが混じっていた。
