「うるさいぞ、橘。お前は授業中に何騒いどるんだ馬鹿者!」
さっきの音は教科書が陽介の頭にヒットした音。
教室ではくすくすと笑い声が聞こえる。
授業中にあれだけ騒げば当たり前だ。
そして教師はそう怒鳴りながらもう一度教科書で陽介の頭を叩いた。
「《ばーか》」
口パクで陽介に一言。
陽介はそれを見て一度目を見開き、キッと俺を睨んだ。
「授業が終わったら職員室に来なさい」
富田という教師は陽介にそう言い放った。
それを聞いた陽介は眉間にシワを寄せ、信じられないと言った表情で富田の両肩を掴んで迫った。
「!富っちゃんそれはあんまりだ!次は飯の時間だろ?富っちゃんは俺がどれだけこの時を待っていたか知らないのか!?」
「知らんわそんな事。騒いでいたお前が悪い」
そんなぁーと落胆する陽介を見て
クククと笑っていると、
「お前も来るんだぞ、榊(サカキ)」
