勿忘草

どこから漏れたんだよ…。




「茉莉花よ。柏木茉莉花」




「ー!!」





その名前を聞いて、俺は驚愕した。




シオンと会ってから、すっかり現実の事を忘れていた。


柏木茉莉花の存在を。


茉莉花は俺の彼女になったんだ。


動揺しながらも、俺はその場から離れた。


なんとなく、シオンの目の前で茉莉花と電話をしていたくなかった。





「…茉莉花。なんで番号知ってんだ?」


動揺しながらも、そう尋ねる。



「あぁ、橘君に聞いたの。彼、喜んで教えてくれたわ」


思い出しているのかふふっと彼女は楽しげに笑った。



陽介の奴…



他の奴には俺の許可を得るまで絶対教えんなって、あれほど言っておいたのに。




きっと彼女だからと、教えたんだろう。




「ねぇ、いつになったら学校に来るのかしら?私貴方に会いたいんだけれど…」




「…わりぃ。今ちょっと忙しい。学校は明日行くから」


ぎこちなくもそう嘘を吐く。


「そう…ごめんなさいね、忙しいのにいきなり電話しちゃって。」

すると茉莉花は申し訳なさそうに謝りながら、じゃあ明日学校で、といって電話を切った。









俺は思わずため息を付く。





そして自分のしていた全ての行動に後悔した。