勿忘草



そんなシオンに声を掛ける。



「シオン、俺達も行くぞ」


「うん」



シオンは優しい笑みを浮かべ、立ち上がる。


俺達は広い庭を抜けて、止めてあった車に乗った。


涼しくて、ちょうどいい車内。


中は空木が冷やしておいてくれたのだろう。




走る車の中で、横に座るシオンに聞いた。

「なぁシオン、この後ちょっと寄っていかね?」



するとシオンはきょとんとした顔で尋ねてくる。


「寄る?どこに行くの?」



その問いに俺はニヤリと笑って窓を指差す。



「ここ」



シオンは窓の外を覗く。



すると一気に彼女の顔が輝いた。


「水族館…!!」



そこには来るときに見つけた、水族館があった。




「でも診察で疲れてるだろ?だから無理は…」


「大丈夫!」


窓からこちらに顔を向け、笑顔でそう答える彼女に思わず笑みがこぼれた。



「じゃあ行くか!!」



すると空木は微笑みながら、「ではここで止めますね」といって車を止めてくれた。