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電話の沈黙は、怖くて仕方がない。

いつ切られるか、わからないから。

「けど、これだけは言わせてくれ」

再び沈黙。

すぐに言葉が発される。

「――好きだ」

ドキッと、心臓が鳴った。

反則……じゃないの。

沈黙の後で、愛の言葉は。

けど、どんな言葉よりも嬉しくて、安心する。

「あたしも……好き」

唇をついて、出てきた言葉。

彼が微笑んでくれたのが、わかる。