「海みたいな心の広い奴ってそんなにいないと思うんだ。だから、」


「そうだね、話を聞いていればあの二人がどんな二人だかわかるよ。」



すると、美咲は窓から見える海のほうへ指をさした。


そしてうれしそうに話す美咲。



「あの海はね。海くんと皐月ちゃんが伝説を本物にさせてくれたんだよ。」


「え??」


「記憶のない皐月ちゃんを海があそこへ連れて行って、海の中でキスをした。そしたら皐月ちゃんの記憶が戻ったんだと思うの。」



皐月の記憶があの海の中で??



伝説は本物になったっていうのか??



「だから、あの二人は絶対に離れることはないよ。」



オレは美咲の言葉に心強さを感じた。


皐月と海が本物にした恋の伝説。