「…皐月。」


海はすぐに皐月ちゃんの方へ立って行った。


そして、皐月ちゃんを抱きしめる海。


だけど、皐月ちゃんの目にはまだ涙がかなり溜っていて、皐月ちゃんは勢いよく海を突き飛ばした。


そして、肩を震わせ静かに泣く皐月ちゃん。


海まで、一滴の涙を流した。


海が泣くところなんて一度も見たことがない。


たとえ、海の父が亡くなった時も一度も見せなかった。



なのに、何で皐月ちゃんのことになると泣くの・・・?


そんなに好きなの・・・??



あたしは、ただ思考が闇へどんどんはいっていくところだった。