「う、そ…」




 あたしは叶のもとへ歩んでいく。



「嘘、でしょ??


 ねぇ叶。


 何であたしを置いていくの??



 今どこにいるの??



 叶、目を開けて



 何してるの??



 ねぇ、いつもみたいに

 『和奏』って言ってよ




 ねぇっ…




 叶ッ…」












 どんなに叶を呼んでも。





 叶が目を開けることはなかった。