叶と話をしていると、病室の扉が開いた。



「和奏ちゃん。
 こんにちは」


「真子さん、こんにちは」




 叶のお母さんだった。



「毎日来てくれてるみたいで」



 そう笑いかけてくれる真子さんは、本当に叶そっくり。



「あっ、はい

 すみません、何だかお邪魔みたいで…」



「いいえ、叶も心強いわ。
 ねぇ、叶」




「うん」




 そう笑う叶。



 嬉しかった。




 『うん』って言ってくれた。




 あたしは、少しでも叶の役にたってたんだって思うと。



「和奏ちゃん。
 ちょっといいかしら??」



「あ、はい
 叶、言ってくるね」




「うん」



 あたしと真子さんは、病室からでた。