それからも、あたしは叶の病室に通った。
告白のことは、叶もふれてこない。
「今日はね…」
いつものように、叶に今日あったできごとをはなす。
「そっかぁ、いいね、学校」
「うん」
叶はどんなにつまらない話でもちゃんと聞いてくれる。
だから、あたしはどんなことでも話す。
少しでも、叶に生きていてほしい。
少しでも、叶の力になりたい。
少しでも、叶の頭の片隅にあたしを置いといてほしい。
そんな願いもはかなく。
知らなかったんだ。
叶との、別れが近づいていたなんて。
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