「ちょっと、あたし、トイレ…」



「うん」




 あたしはその場から逃げるように、叶の病室を飛び出した。




「…ッくっ…

 …ふぅぅッ…」



 涙が止まらない。




 次から次へとでてくる涙。




 叶、ごめんね



 困らせたよね。





 …やっぱり、ふられちゃった…




「あ、たし…、叶のことが大好き、なの…

 また一緒にあの場所、行こ、うよ…」



 嗚咽で上手く喋れない。


 独り言だけど、あたしは叶に告白できただけでも、いいんだ。





 叶には、恋愛なんかよりも、体を治すことの方が大事なんだ。




 あたしが邪魔しちゃいけない。