謝らせるつもりなんて…なかったのに。



「そんな…」


「…そぅだよね、ごめん。
 僕が悪いんだ」


「ちが「ちがくないよ」



 暗闇だけどあたしには分かった。




 叶は、悲しい顔をしている。



 …あたしがあんなこと言ったから。





「叶、ごめん」



「何が??」



「あたしがあんなこと言ったから…」




「和奏が謝ることじゃないよ」



「さっきのだって叶が謝ることじゃない」



「「ふふ」」





 やっぱり、叶にはかなわないや。







「叶、大丈夫だよ。
 つらいと思うけど、頑張って」




「うん」


 叶の目は、まっすぐあたしを見据えていた。